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キュアとケアについて
(日野原重明)
 キュアは医師がやり、ケアは看護婦がするというように分けて考えるのは間違いです。無医村を担当する保健婦は、ある場合には診断をし、傷を切開し、縫合したりしなければならないでしょう。離島を守る医師は、助産婦や保健婦の仕事も当然担当します。私は、往診して死を看とった患者さんには、ご家族と一緒に死後の処置を行い、清拭もします。医師の仕事であるかないか、看護婦の仕事なのかは問題ではないのです。ニーズがあるから、できる人がそれをするということなのです。そのためにも、日頃からそのテクニックはだれもがしっかり身につけていなければなりません。
ケアとしてすべきことを列記してみましょう。
1)ケアはだれであってもなすべきであること。
2)できるだけ許された生命が長くなるような延命的な処置をすること
3)しかしながら、生きられる間の生命の質を豊かにする、豊かになることを優先して考えること
4)患者だけでなく、患者の家族への配慮を忘れてはならないこと
    (キュアとケアについて:日野原重明著)