細菌検査でなにがわかるの?
採取した膣分泌物を培養して膣炎の原因となっている細菌を見つけ出します。
原因がわかればその細菌に対してどの抗生物質が有効か検査します。
どんな細菌(微生物)が原因になっているの?
<一般的な細菌>
膣はデーデルライン桿菌による自浄作用があり、常に清浄された状態になっていますが、何らかの原因で大腸菌、ブドウ球菌、腸球菌、B群溶連菌、ガードネレラ、嫌気性菌のモビルンカス等が感染すると膿汁様のおりものが増加し、外陰部がかゆくなる事もあります。魚の生臭いにおい(アミン臭)がすればガードネレラの感染が疑われます。
<真菌による感染>
カンジタと呼ばれる真菌(酵母様)が膣に繁殖すれば、酒かす状やクリームチーズ様のおりものが増加し、外陰部のかゆみが強くなります。感染は性行為によるものは少なく、大部分は膣の細菌バランスが崩れ過剰に真菌が増殖する事が原因です。
<淋菌感染>
淋菌による膣炎で主に性行為により感染します。黄色の膿汁様おりものが特徴で、下腹部痛が起きますが女性では症状の出ない場合もあります。
<トリコモナス感染>
トリコモナス原虫が膣に繁殖すると、泡沫を伴う悪臭のあるおりものが特徴的になります。性行為、浴場、トイレ等で感染する事もあります。
<クラミジア感染>
クラミジア・トラコマティスという微生物の感染で、主に性行為で感染します。黄色や大量の水様性のおりものがみられ、下腹部痛が起きますが症状の出ない場合もあります。
どんなふうに検査しているの?
一般的な細菌や嫌気性菌、真菌、淋菌はそれぞれ選択性のある培地に分泌物を培養して、生化学的性状、形態で菌を決定します。トリコモナス原虫は顕微鏡で確認もしくは培養します。クラミジアは抗原検査または遺伝子検査で決定します。
検査はどこでするの?
当院では広島市医師会臨床検査センターへ検査を委託しています。
|