子宮がん検診での細胞診、コルポスコープ、超音波検査の意義
(H20年1月18日)
Q:先日子宮がん検診を受けました。(45歳女性)

A:子宮がん検診は、約35年前に、巡回バスなどの集団バス検診で開始されました。
当時の子宮がん検診は、内診、膣鏡診、細胞診だけでしたが、その後、医療器械などの進歩により、検査精度をあげるために、クリニックなどの個別検診においては、子宮頸がん検診では子宮頚部細胞診の他コルポスコープ(内視鏡カメラ)、子宮体がん(子宮がんの30〜40%)検診では、子宮内膜細胞診とともに経膣超音波検査の併用が試みられるようになってきました。特に経膣超音波検査は子宮筋腫や卵巣腫瘍(卵巣がんや卵巣嚢腫)のチェックもでき大変有用です。最近これらの検査所見を診察中に
患者に見せてくれる施設もふえてきました。当院も同様です。
また子宮がん検診では、癌の見逃しをしない事(精度管理)はもちろんですが、診察をうけやすい事、痛くない事のほか、検査方法や検査結果が本人に間違いなく伝わるよう、検査年月日や検査法、検査結果を説明し、書類や文章で渡すこと、なども大変重要です。
当院では、細胞診検査の他、コルポスコープと超音波も併用し、検査結
果の説明では、細胞診の結果伝票を患者に渡して、一緒に細胞診の顕微鏡所見を液晶画面で見ながら検査の流れを説明しています。内診台も自動式で、診察を受ける抵抗感が少なく安心です。また検査間隔については、子宮頚癌で一番多い子宮頚部扁平上皮癌は、前がん状態から浸潤癌への進行は数年かかることが分かっていますが、子宮頚部腺癌や子宮体がん、子宮筋腫、卵巣がんなどのチェックも重要ですので毎年の検診を是非お勧めします。

(緑井レディースクリニック院長 : 林谷誠治)