ホルモンの異常が疑われる場合には、血液を採血しホルモン検査や抗体検査などを受けていただく必要があります。これらの検査は排卵や妊娠しにくい原因について診断するためにとても重要なものです。
以下に、今回受診していただきますホルモン検査について、簡単にご説明いたします。
● FSH(卵胞刺激ホルモン)およびLH(黄体形成ホルモン)
【解説】
FSHとLHは脳下垂体から分泌されるホルモンで卵巣に働きかけます。FSHは卵胞を大きくする働きを、LHは排卵の前に多量に分泌されて排卵を引き起こします。卵巣の機能低下が考えられる場合には、その機能低下を補足しようとして、FSHやLHが多量に分泌されるため異常高値となります。
● E2(エストラジオール)
【解説】
E2は女性ホルモンであるエストロゲンの1つで、排卵に向けて卵胞が大きくなると、卵胞より多量に分泌され、子宮内膜を分厚くして妊娠しやすくする働きを持っています。
したがって、この時期E2の測定値が低値の場合には、E2が十分分泌されていない可能性が高く、卵巣機能低下症が考えられます。
● プロゲステロン
【解説】
排卵後の卵巣にできる黄体からプロゲステロンがエストロゲンとともに分泌されることにより、子宮内膜をさらに妊娠しやすい環境にします。したがって、プロゲステロンの測定値が低値の場合には、黄体機能不全といって妊娠しにくい状態になってしまいます。
● PRL(プロラクチン=乳汁分泌ホルモン)
【解説】
PRLは妊娠中や分娩後に脳下垂体から分泌され、母乳を分泌させるホルモンです。しかし、このホルモンが非妊娠時に分泌されると、排卵・月経の障害や卵巣の機能低下が起こります。
基準値(女性)6.12〜30.54ng/ml
● TSH(甲状腺刺激ホルモン)
【解説】
TSHは脳下垂体から分泌され、人間が生きてゆくために不可欠である甲状腺ホルモンの分泌量を調節しています。甲状腺ホルモンの分泌が不十分だと月経や排卵の調子が悪くなったり、妊娠しにくくなったりすることがあります。
基準値 0.50〜5.00μIU/ml
当院では上記ホルモン検査を広島市医師会臨床検査センターに委託しております。
緑井レディ−スクリニック